6.職人さんのやりがいについて
このような状況が続くと、職人さんにとっての「やりがい」というものがなくなってくると思いませんか。「腕のいい大工になりたい!」と思って一流の大工を志しても、 安い日当で働かされ、完成した家も見ることが出来ず、お客さんとのコミュニケーションも禁じられる…。
その結果として当然のことながら、責任感を持って仕事をしない職人が増えてきてしまいます。「安い日当だから」「お客さんと話をしたこともないし」、「自分で責任取るわけじゃないから、これでいいか」等。このままでは「自分の持っている職人技術でいい家を造って、お客さんに喜んでもらう」という根本的な部分を見失ってしまう、可能性があります。
もちろんこの状況はお客さんにとっても私達にとってもよくありません。 設計段階でとことん話し合い、何度もプランを練り直し、CGも作成した夢いっぱいの家が、職人さんの責任感の欠如によって満足いかない家になるだけでなく、場合によっては欠陥住宅になってしまう。
結局どんなにいい設計をしても、現場で台無しになってしまうというリスク。
この状況はなんとしても避けなくてはなりません。
ではどのようにすれば職人一人一人が責任感を持って仕事をし、子供に胸を張って「この家お父ちゃんが建てたんで」と言えるようになるのか。 大工さんが「近くに来たのでちょっと寄らせてもらいました」と笑顔で訪問出来る人間関係を築く事が出来るのでしょうか。